2020年6月議会の報告

6月議会の報告です。
議案4件、請願1件全て、賛成多数で可決しましたが、市民ネットは、補正予算の議案に反対しました。

理由については、以下の通りです。


(議場で皆川幸枝議員が反対討論した内容です。)

今回の補正予算には、みどりの学校プール設計に関わる費用や、研究学園小学校、中学校グランド整備工事に関わる費用など、ほとんどの事業については進めるべきと考えておりますが、1点、教育用パーソナルコンピュータ賃借に関わる債務負担行為補正と賃借料についてのみ、反対いたします。この費用のみを削除した修正案を出すことも考えられましたが、今議会はコロナ対策で会議時間の短縮を図っているさなかであり、修正案提出による事務負担や時間の増大をさけるため、補正予算に反対という形にさせていただきました。

先行して、5月の臨時議会に提出された小中学校用パソコン700台とルータは、今後コロナ休校が再度起きた際に、家に居るこどもと先生をつなぐ、コミュニケーションツールとして、自宅にインターネット環境が無い家庭に貸し出すものとして必要と考え、導入には賛成いたしました。

今回の長期に渡るコロナ休校では、オンライン授業の気運が一機に加速し、保護者もオンライン授業を進めていく必要があると考える人が増えて来ました。

しかし、1人につき1台、つくば市で20000台ものパソコンが必要でしょうか。電子機器の導入による弊害もあり、慎重に考えていく必要があります。パソコン導入を加速することの弊害として、電磁波被ばくによる健康影響、生の体験学習の時間確保が難しくなることを憂慮しています。

これまでつくば市議会では何度か指摘されていますが、電磁波の健康影響は日本では報道も少なく、意識している人がまだまだ少ないのが現状です。ところが、アメリカ、欧州などでは健康被害や研究論文が数多く報告され、規制が厳しくなっています。日本国内の基準が他国に比べて余りにも低く、携帯電話基地局の近くに住み、健康被害を訴える人々が、署名を集めて自治体に規制を求めています。日本でも何らかの規制や対策を考えていく必要があります。

さらに、今年2020年は、各通信会社が超高速大容量データ通信である、5G対応で一機にアンテナ設置を全国津々浦々まで進めています。GIGAスクール構想は、この高速大容量通信を校内で可能にしょうという計画です。電磁波は距離が短くなるほど、影響を強く受けます。発達段階の子どもがより身近に、電子機器や、無線通信アンテナで電磁波を大量に浴びることになります。

1人1台端末導入で、もう1つの弊害は、学校での体験学習の時間確保ができなくなることです。
子どもが自ら学ぶ意欲を持つには、五感を使った体験は非常に重要です。年々、大学受験、高校受験で覚えなければならない項目が年々増え、小中学校の先生方は、教科書をこなすために1年間の授業時間のやりくりに苦心されています。このような、今でも、体験学習の時間確保が難しい中、パソコンを導入して先生方は教材研究にさらに時間を取られ、さらに、オンライン上で見る、聞く体験により、実際の生の体験の触る、においをかぐ、味覚、の時間は削られてしまうでしょう。動物である人間は、五感を使った体験により脳が刺激され、様々な意欲を生み出します。自ら学ぶ意欲は、多くの体験から生み出されるものです。

今年定めた、つくば市教育大綱を現場で実践していく年です。一人一人が幸せな人生を送るため、教育大綱では、教育の考え方について3つの転換を目指します。1つ目は、これまでの「教え」から「学び」へ、2つ目は「管理」から「自己決定」へ、3つ目は「認知能力偏重」から「非認知能力の再認識」へ。非認知能力をはぐくむには遊びを中心にした実体験が非常に重要と言われています。このような時に、コロナという今までにない局面を体験し、これまでの学校教育について見直していく機会ではないでしょうか。

この、学校教育の根幹を変えていく時に、道具であるパソコンを、1人1台導入するよりも少人数学級の導入が先決です。
5年後のリースアップの時期に国の補助は予定されておらず、自治体に丸投げです。GIGAスクールという国の一方的な政策に振りまわされるような、パソコン導入に反対いたします。


議案概要・資料もご覧ください。

<つくば市議会ページ / 議案の概要>
http://tsukuba.gijiroku.com/g07_Giketsu_View.asp?SrchID=3199&Sflg=2&kword1=&kword2=

<資料pdf>令和2年度つくば市一般会計補正予算(第6号)
http://tsukuba.gijiroku.com/…/atta…/Gk/Gk3199_R206gian57.pdf