うののぶこ 防災環境産業委員会質問(2023年9月14日)

うののぶこ県議会レポートVol.3で紙面の関係で書ききれなかった「防災環境産業委員会で質問した項目」の詳細について報告します。

・(仮称)新産業廃棄物最終処分場(日立市)設計における豪雨対策について

Q(うの):新産業廃棄物最終処分場の貯水池等の容量は、埋め立て面積が約9.3ha、調整槽の容量が28000㎥、処理能力が1日400㎥となっている。28000㎥を9.3ha、93000㎡で割ると、0.3m、300㎜になる。埋立地全域に300㎜の雨が降ると調整槽の容量をオーバーするのではないか。今回の水害で1時間100㎜を超える雨が降って、6月の取手市でも280㎜位で牛久沼が越水した。設計から見ると300㎜が限界ではないかと思う。28000㎥を処理能力の1日400㎥で割ると70日かかる。この点について伺いたい。
また、防災調整池の方は容量が35000㎥で、埋め立て地以外の雨をこちらに入れて、埋め立て地に雨が流れ込まないようにするとの説明だが、どのくらいの面積の雨をこちらに誘導することになっているか。

A(資源循環推進課長):浸水調整槽の容量28000㎥で設計している。これは廃棄物層に触れて浸水する水であり、廃棄物等に触れて浸水するまでの時間はダイレクトに来るわけではないので、一定の浸出係数等を勘案した上で設備容量を計算している。調整槽に28000㎥で貯留するほかに、廃棄物埋め立てエリアの中に一定量の雨水については貯留できる。それを貯留槽に誘導しながら大雨に対応していくような処理が可能と考えている。極端現象のシミュレーションもしているが、日量400㎜の雨にも対応できるように設計上は考慮されているときいているので、300㎜の雨についても十分対応は可能と評価している。防災調整池の容量に係る流域面積はおよそ34haを想定した設計となっている。

Q:日量400㎜が上限の設計ということですね。それを超えた場合どうなるのか。最終処分物を埋め立てるところ自体も水をためることができるので、28000㎥がすぐに埋まるということはなく、溢れることは想定していないという説明だが、最終処分物を埋め立てるところに水が溜まった状態になる。その時にどういう状況になるのか。計算の詳細資料を後で見せてほしい。

A:日量400㎜の雨量については防災浸水調整槽で十分余裕を持って受け止めができるという設計になっている。24時間雨量500㎜についても、防災浸水調整槽で受け止められる設計になっている。さらに雨が降った場合には緊急避難的に埋め立てエリアの方で貯水も可能な設計で進めている。

・地球温暖化対策の取組状況

Q(うの):茨城県地球温暖化対策実行計画では、2030年度の温室効果ガス削減目標が2013年度に対して産業部門で38%減、業務部門で51%減、家庭部門66%減、運輸部門35%減の目標になっている。茨城県の特徴として、産業部門の排出量が6割と全国に比べて2倍大きいために、大きな技術革新が無ければ削減が難しいためか、全国で茨城県だけがゼロカーボンシティ宣言をまだしていない。産業部門については企業側の責任としてゼロカーボンに向けた計画を策定して進めていくとのことなので、県は県としてやるべきこと、出来ることを進める必要がある。そこで、削減目標の割合が一番大きい家庭部門について伺う。66%削減のために、太陽光と蓄電池を全世帯の6割に設置という想定になっているが、具体的にどのように進めるのか。現状は何割の世帯に設置されているのかも含めて教えていただきたい。

A(環境政策課長):実行計画の家庭部門66%削減の内訳は、住宅の省エネ対策として19%の削減、電気の排出係数の改善で30%の削減、残り17%を太陽光蓄電池の設置による削減というイメージとしてお示ししている。住宅用の省エネ対策で例えば19%を削減するには、うちエコ診断という事業を行っており、これまでの取組で大体過程で省エネを進めると平均19%くらい下がるという知見があったので、うちエコ診断のような取り組みによって19%の削減が期待できると。その他に電気の排出係数は発電部門の問題なので県で取り組みは難しいが、残った部分を太陽光蓄電池で削減する場合には、17%すなわち全世帯の6割が削減しなければないという一つのイメージをお示しさせていただいた。家庭の省エネはうちエコ診断の結果だけでなく、国の方でゼロエネルギービルディングZEBの導入といった取り組みも進んでくる。そういった削減、省エネが進めば、当然住宅の省エネ対策の割合も増えてくるので、必ずしも17%を達成しなければならないと位置付けているものではない。その上でこの17%の太陽光蓄電池の設置をどのように進めるかは、県だけではなくて国、市町村の施策を総動員して削減していくべきものと思っている。このうち、県の具体的な取り組みは、太陽光で発電した電力を効果的に自家消費に使えるような蓄電池の導入支援に力を入れており、また、うちエコ診断で過程にあった省エネ行動をアドバイスする事業を通じて家庭での省エネ導入促進を図っている。
最後に、住宅の太陽光の普及率は、本年現在で茨城県は8.6%、全国平均5.2%を上回っている。蓄電池の普及率は、太陽光を設置しているうちの概ね4.8%が設置しているというデータがあり、推計すると茨城県内の0.4%世帯に蓄電池が設置されていると認識している。

Q:ちょっと答弁には納得していないが、順番に聞いていく。住宅の省エネルギー、うちエコ診断をどれくらいの世帯がしているか計画を見ると、住宅の省エネルギー再生可能エネルギー設備の導入支援件数は2021年が2436件で2030年は9000件を目指すという計画だが、これによって県内全世帯のどの程度に設備の導入が普及する計算になるのか?

A:自律分散型エネルギー設備導入促進事業の計画として2030年度に9900件達成した場合、全世帯が120万世帯なので、仮に9900世帯だと約1%にとどまってしまうが、こういった太陽光発電や蓄電池の普及は国や県、市町村の政策を総動員して実施していくものであり、県の取組によって波及効果を期待できるかと考えている。

Q:この9900件は累積なのか?単年度ではないのか?

A:こちらは2030年度までに9900件という実績。

Q:とてもそれじゃ間に合わない。蓄電池の購入に県が補助を出しているということだが、この導入支援とは具体的にどういう支援なのか。相談に乗ったり、情報提供する以外の補助制度はどうなっているか?

A:蓄電池の導入支援は、自律分散型エネルギー設備導入促進事業という、具体的に家庭で蓄電池を導入しようとするときに1基あたり5万円の補助金を支給する。市町村が補助する際に、県もそれに上乗せする形で補助を行っている。

Q:なかなかそれでは6割の世帯にはすごく遠い感じがする。もうちょっと力入れなくちゃいけないと思う。この計画の中で県の役割として、地域脱炭素化促進事業の実施に向けた環境配慮の基準の設定などとあるが、この地域脱炭素化促進事業は国の地域脱炭素ロードマップに基づく全国100カ所の脱炭素先行地域ということで、茨城県では日立市をモデル地区として検討が行われた報告がウェブサイトに出ているが、これの事か?子の検討に基づく事業の進捗状況はどうなっているか?

A:全国100地域を脱炭素先行地域ということで検討する取り組みは、日立市でモデル事業を実施しているものと必ずしもリンクするものではないが、将来的にはそういったものに応募できるような情報提供をさせていただいているという取り組み。日立市で実施した事業の概要は、令和3年度から市町村において地産地消型の再エネを活用した事例集を取りまとめ、市町村に情報提供させていただいた。令和4年度には日立市を一つのモデル地区として、具体的に日立市の公共施設などを使って、地産地消型の再エネの導入をした場合に、どういった形、あるいはどういった課題があるかを調査して、その結果を県内の市町村に情報提供することによって、実際に公共施設に再エネを導入した場合に、どういった形に進められるのかという取り組みをさせていただいた。

Q:県の環境保全率先実行計画第6期、県庁エコオフィスプランの進捗について。進行管理の会議が設置されているが、必要に応じて開催するということだが、その3段階の会議が設置されているが開催状況を教えて欲しい。

A:エコオフィスプランの推進体制、3段階の会議については、必要に応じて開催をしており、定期的には開催していない。県としては毎年具体的に会議の構成メンバーが各庁内の所属長なので、所属長に対して、率先実行計画で掲げているエネルギーの使用状況などに対して照会をかけ、データを取りまとめて、達成状況をチェックしている。その結果は庁内各部局に共有して、取り組みの推進を図っている。今年度、ちょうど中間年なので3年度、4年度の結果を今取りまとめている。その結果が出た段階で、進捗状況を取りまとめ、庁内の関係課と外部の有識者等の委員会に報告して、意見をいただきたいと考えている。

うの:第6期計画の最初のところに今後の課題として、「現時点では電機や燃料の使用量の大幅な削減が見込める大規模な施設設置設備の改修が予定されていないことから、これまでの取組を引き続き着実に進めるとともに、新たな省エネ技術や再生可能エネルギー電力の導入について検討する必要がある」と課題がまとめられているが、そもそも予定されていないことは問題だと思う。家庭部門で家庭に対しては省エネの改修を勧めているのだから、県の各オフィスについて省エネ診断をすべての建物についてやって、省エネ改修、大きな改修でなくても出来ることがある。それから再生可能エネルギーの導入とか、電気自動車の導入、計画的に進めていくって書いてあるが、その計画がこれを見ても1年に何台とか出てこない。ここに書いてあることをしっかりと進めていただきたい。今度、その会議の資料を詳細に見せていただきたい。

・福島原発事故のALPS処理された汚染水の海洋放出により、トリチウム以外の放射性核種を長期間放出する影響について

Q(うの):ALPS処理水、もしくは汚染水の海洋放出について伺っていきたい。まず、今回最初はトリチウムと言っていたが、東京電力の発表を見ると、トリチウム以外の放射性物質が残留するとウェブサイトでも公表されている。ストロンチウム90、炭素14、ヨウ素129など、トリチウム以外に9核種は少なくとも検出されている。トリチウムは事故を起こしていない原発でも放出が避けられないため、福島第1原発では、年間放出限度を22兆ベクレル未満目標ということで、それは守られると思うが、他の核種については、1リットル当たりの濃度の制限はあるが、排出量の上限が、私の探した範囲では見つからないので、教えて欲しい。汚染水処理水タンク全体のトリチウムの総量が860兆ベクレルと東京電力のホームページに出ている。1年に22兆ベクレルが排出上限なので、単純に計算して39年かかると思うが、30年と説明されている。それと一緒にストロンチウム90、ヨウ素129など放射性物質が放出され続ける。1リットル当たりの濃度の制限が守られても、39年ないし30年間大量に放出し続ければ、これらのエリアの放射性物質の濃度がどのようになるかについて、東京電力や経済産業省から県はどのように説明を受けているのか伺いたい。今回、太平洋の原発から1㎞のところにトンネルを掘って放出するのだから、出したものは閉じ込めることは出来ない。今の所、遠くまでは拡散しないと説明されているのを見たが、何年も大量に放出し続ければ何が起こるか予想できないのではないか。これが地元の漁業者や各国の不安や不信感につながっていると思う。県として東京電力や経済産業省から、長期に渡ってトリチウム以外の放射性物質の放出を続けた場合の影響について、どのような説明を受けているか聞かせて欲しい。

A(横山原子力安全対策課長):ALPS処理水については、多核種除去設備ALPSなどにより、トリチウム以外の放射性物質は環境に放出する基準である告示濃度限度以下まで確実に除去されていると確認されていると聞いている。告示濃度限度は放射性物質が含まれる水を生まれてから70歳まで毎日2リットル飲み続けた場合に、人体が受ける放射線を年間1ミリシーベルト以下となるように定められていると聞いている。また複数の放射性物質が含まれる場合には、それぞれの放射性物質の濃度と限度の比を求めて、その比の総和が1を超えないようにすることになっている。タンクにためている処理水中のトリチウム以外の放射性物質はすべてが告示濃度限度以下であり、その比の総和が1を超えないことが確認されているということで、今回放出されたタンクの中に含まれるトリチウム以外の放射性物質の比の総和は0.28と十分低い値になっている。その上で、海洋放出にあたっては、海水でさらに希釈することになっていて、今回放出された処理水は、放出する時点で約740倍に希釈されている。このことから、トリチウム以外の核種についても、多核種除去設備等で十分低い濃度まで除去した上で、海水で希釈されたものが放出されており、さらに海洋で希釈されるということで、近海での海水中濃度が高くなるとは考えられない。また、長期間放出した場合の影響は、ALPS処理水の海洋放出に伴う影響について、と王匡電力が国連科学委員会の手法を用いて評価した結果、日本における1年間の自然放射線による影響が2.1mSvとなっているが、その約10万分の1以下と極めて小さいことが確認されているという。いずれにしても、ALPS処理水の影響についてはIAEAにおいても確認されており、人と環境に対する影響は無視できるほどの影響と確認されていると理解している。

Q:そうすると、長期影響について県としてはそれ以上の説明は求めないということなのか。トリチウムは22兆ベクレルという上限がある。しかし他の者は上限が無く、濃度だけが制限sレ停るとなると、その濃度に薄めれば、いくらでも出してよいのか。総量規制がないのはどういうことなのかと思う。福島第1原発の近くの港の中で、今年に入ってからもクロソイが18000ベクレル/kgということで、それまで出てなくても突然そういうのが出たりする。だから均等に薄まるわけではなく、海流やいろんなことで濃いところと薄い所がでて、それが静態濃縮していく。私も言われた部分は全部見たが、それでもやはり長期間出し続けるのは、その影響についても濃度だけではない指標が必要ではないかと思う。県としてはその濃度だけを守っていれば良いという見解なのか?

A:環境に放出する基準としては、告示濃度限度が守られていれば、人や環境に与える影響は限定的だと理解している。

うの:そもそも放射性物質は閉じ込めておくという前提で、原発は作られたが事故が起きて出してしまった、ということで、告示濃度限度を守っても、大量に薄めて放出した時に送料がいくらになるのかはすべて数値を求めて欲しい。漁業関係者や太平洋諸国の方々が心配しているのはトリチウムだけの問題ではないと思う。そこはもう少ししっかり説明されないと、不安は払拭されないと思う。隣県で漁業も大変盛んな茨城県として、しっかり科学的に求めていただきたい。濃度が守られれば、いくら出してもいいのかというところは納得できないので、もう一度確認して欲しい。

・原子力災害の広域避難計画におけるバス協会との協定

Q(うの):8月9日の閉会中委員会で、避難支援の担い手確保としてバス協会などに協力を得ることについて市町村と協議を行っていると説明があったが、広域避難計画と言っていたので、もしバス協会との広域避難計画について市町村が協議を行って協定に至れば、今度は原子力災害の広域避難計画におけるバス協会との協定はこの協定の中に含まれるのか。それとも、原子力災害の場合は状況が違うので別の協定になるのか?

A(横山原子力安全対策課長):8月9日の閉会中委員会で、防災危機管理課から説明したのは、自然災害時における避難行動要支援者の支援について、古河市において地元バス協会との間で調整をしているという説明だった。原子力災害の避難手段としては、県において茨城県バス協会等と協議を別途している。これは今回、原子力災害の分は14市町村において広域避難計画を策定することとされている。そのなかで、避難の車両の確保ということで、交通事業者の理解と協力をいただき、取り組むことが必要ということで、現在、原子力災害時の対応についてご理解いただくための運転士向けの研修などに取り組んでいるところで、今後バス協会との間で、具体の協力内容についてはさらに詰めていきたいと考えている。

Q:分かりました。原子力災害と自然災害は別ということで、自然災害の方は市町村だが、原子力災害の方は県でやっていると。原子力災害の場合はバスの運転手さんにも被ばく限度と言うか、上限が前提になると思うが、それはどうなっているか?

A:バス協会との間では、1ミリシーベルトを上限に要請するということで一応了解をいただいている。

・東海第二原発の放射能拡散シミュレーションの公表が遅れている理由と今後のスケジュール

Q(うの):日本原電から放射性物質の拡散シミュレーションが出て、検証を委託して結果も返ってきていると思うが、なかなか公開されないので、今どういう状態になっているか、検証委託した結果と、その後の現状と、何故まだ公表しないのかの理由と、今後のスケジュールについて教えて欲しい。

A(横山原子力安全対策課長):拡散シミュレーションについては令和5年の第1回定例会の際に、日本原子力発電から提出があった旨と、県の対応として検証し、完了後に、避難計画を策定する14市町村と内容や検証結果について十分に認識を共有した上で公表したいと説明させていただいたと認識している。その上で、検証結果については、令和5年3月31日に委託事業者から受け取って、シミュレーション結果についてはおおむね妥当との報告を受けている。なお、報告書では、根拠の補強や、住民への説明性の向上のため、追加強化を実施した方が良いとされる項目も併せて述べられているという状況。そのため、追加評価項目については、先般14市町村の説明が一通り終わったことを踏まえ、日本原電に対し、対応を正式に要請した。それから公表が遅れている理由は、拡散シミュレーションの結果及び検証結果については、市町村との認識の共有が図られた後に公表したいと申し上げてきたところで、この間個別に市町村訪問し、説明を続けてきたほか、先月21日には東海第二発電所の安全対策部長会議において、改めて説明を行った所。その際、一部の市町村から公表した際の住民の受け止めや、その場合の対応についての懸念が示されたため、引き続き14市町村と協議が必要だということで、現在事務的に市町村と意見交換しながら、どのようにして公表するかについて検討を進めている。今後のスケジュールとしては、14市町村の理解が得られた後に公表したいという考えに変わりはない。今現在事務的に、そういった調整をしている段階であり、今の段階で公表の時期について現時点で申しあげられる状況にはない。

Q:14市町村の理解が得られた後でというと、どういう状況が理解が得られるのかイメージがわかないが、1自治体でもこれは公表されたら困るとなれば、公表できないということなのか、でも検証委員会では妥当と言っているから、もう一度日本原電に補強の追加の評価項目を出してもらう。もうその時点ではそれ以上はいじりようがないと思うので、その時点では公表すべきだと思うが、14市町村の理解が得られるというのは、公表してもいいと言っていただくということなのか?

A:公表について、確認書の同意がなければならないとは考えていない。今回のシミュレーションの目的や使用方法や、そういったことについて理解が得られた段階で公表していきたいと考えている。一部の市町村では、公表によって、住民の方に過度の不安を与える可能性があるんじゃないかという懸念があるので、資料の見せ方とか、そういったことで工夫ができるのではないかということで、今内部で調整している段階なので、それを踏まえた上で改めて市町村に説明させていただければと考えている。

A(山崎防災危機管理部長):市町村に私の方で、首長さんに直接ご説明した内容については理解されたと認識している。ただ一部の市長さんが言われてたのは、今回のシミュレーション結果というのは、茨城県の方で30kmまで避難し、範囲が及ぶように出してくださいと、それは30kmの避難計画を作っているので、それを検証するためには、30kmまで及ぶような被害想定が必要ということでお願いした。それを出していただいて、その影響範囲が地図に落ちているわけだが、首長さんが、これって何か、必ずこういった事故が起こっておれば、必ずここまで避難が及ぶんだというふうに一般の人は思っちゃうんじゃないかと。ただこれはあくまでも一定の想定を置いて、あくまでも30kmまで及ぶような事故を想定した結果、こういう結果になったんだというのが、もっとわかるような資料にしてもらえないか、と。そういう資料が出来て、住民にきちっと説明できるようであれば、これはあくまでも、そういった場合を想定して、あえてそこまで及ぶような影響範囲になっているということが説明できる資料になっていれば、それで公表していくことについてはもう理解だと思っているので、ちょっと資料の作り方を、先ほど課長が説明したように、ちょっと事務的に詰めさせていただいている段階。

うの:分かりました。過度な不安と言うが、そういう事故の可能性がないとは言えない。動かした場合ということでそういう場合をシミュレーションしたということだと思うので、過度な不安という表現は如何なものかと思う。素直な不安と言うか、素朴な率直な住民感情と思うので、そこはきちっと受け止めていただきたいと思う。極端な例をシミュレーションしてもらったというよりは、そういうことは可能性としてあるものだと、例えば風速100mとか、ちょっとあり得ない状況ではないと思う。あくまでも、やはりそういうことが起こりうるということを住民の皆さんにちゃんとお知らせすることが、県としてきちっとやっていくことだと思うので、早期にきちっと公表していただきたい。

・アンモニアサプライチェーン構築の現状と課題

Q(うの):アンモニアサプライチェーンは茨城県の温暖化対策の大きな目玉の事業だと思うが、スケジュール、いつの時点でどの程度の温暖化対策になるかが大事だと思う。スケジュール感はどうなっているか?

A(小貫科学技術振興課長):基本的には国の方で決めている2030年の46%減、それと2050年カーボンニュートラルを目標として定めている。まず2030年を念頭に置いてこの事業を進めている。

Q:もしこれが構築されたら、茨城県の産業部門での使用で温暖化ガスがどの程度減量できるか算出されているか?

A:各企業がどれくらい参加してもらえるかがまだ不明。現状としてはアンモニアを利用してもらうようにお願いはしているが、どれくらい広まるかはまだはっきりしていない。正直いうとどれくらい減量できるかはまだ試算できていない。

Q:図を見ると、アンモニアを輸入してサプライしていくと見えるが、国内で生産することはこの構築の中に入っているのか。例えばプラスチックのリサイクルでも生産できるのではないかと思うが、国内で賄っていくことについて教えて欲しい。

A:輸入を基本として考えている。現状、アンモニアは様々な原料として現在でも使われているが、肥料などの使い方で、量としては燃料で使うものに比べると大変小さい。大量に使用するとなった場合、大量に用意しなきゃいけない。現状としては、国内というより、海外で作ってくるのが一番考えるところで、国の方でもまずはそれを検討している。

うの:輸入に頼るのはなかなか厳しい。将来的に見ると、できるだけ国内で、プラスチックのリサイクルも進んで、今の容器包装リサイクル以外のプラスチックもリサイクルすることになっていくので、ぜひ将来的には国内で賄っていく、一部でも製造して使っていくことも含めて検討して欲しい。