宇野信子 一般質問 

都市建設委員会副委員長

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つくば市の温暖化対策、これまでとこれから

地球温暖化による気候変動は、深刻な水害の頻発や大規模な山火事など、世界各地で実感されています。これらは市民生活の安全を揺るがし、食糧危機にも繋がるため、喫緊の対策が必要です。そこでつくば市の地球温暖化対策について、これまでの経過、現在の課題、今後の取り組みを質問しました。

これまでの取り組みで見えてきた課題は……
つくば市では、2002年に「つくば市地域新エネルギービジョン」を策定。つくば市に合った新エネルギーについて調査し、太陽光発電などの導入を進めましたが、「回らない風車」問題では、国庫補助をあてにして調査不十分なまま着手した風力発電事業が失敗し、大きな教訓となりました。
2007年には「つくば3Eフォーラム」が組織され、大学、研究機関と市が連携して低炭素エネルギー社会の実現をめざし、環境、エネルギー、経済の調和を図り2030年までに二酸化炭素排出量の50%削減を目標に掲げました。藻類バイオマスの研究などが注目されましたが、実用化に向けた具体的な連携強化が課題になっています。
2013年には「つくば市環境モデル都市行動計画」を策定。低炭素建物街区ガイドラインや環境スタイルサポーターズの取り組みなどを進めましたが、施策が多岐にわたっていたため、いずれも成果が出るところまでやりきれていないことが課題です。

2020年、新たな地球温暖化対策実行計画を策定!
今回の実行計画では、これまでの経験を踏まえ、地域特性に合った施策を、市民が取り組みやすいように、環境面だけでなく経済、社会面のメリットを強調して広く普及させようとしているとのことです。
そこで具体的な施策として、公共施設に再生可能エネルギー導入をもっと積極的に進めて欲しいと提案したところ、「施設の状況や整備方針、エネルギーの使用状況を調査研究の上、設置を進める」と答弁。また、すぐ取り組めることとして、プラスチックごみ削減のため市が率先してペットボトルの使用を減らすよう提案し、「市の会議等でのペットボトル飲料の提供を控え、マイボトルの利用を促進する」等の答弁を得ました。
最後に、世界の都市と連携して温暖化対策に取り組むため、自治体として気候非常事態宣言を行うよう提案しました。今回の計画が絵に描いた餅に終わらないよう、市民として出来ることを実践しつつ、行政の実施が滞らないよう、進捗をチェックしていきましょう。



決算の審査方法が変わりました!

「議会での決算審査を翌年度の予算にもっと反映できないか?」これが、議会基本条例を作ったときから、議会改革のテーマの一つでした。

これまでの決算審査は、9月議会に上程された決算認定案を審査するため、10数名の議員で構成する決算特別委員会を設置し、10月~11月に委員会審査を行い、12月議会で委員会報告、討論、採決を行っていました。

しかし、結論が出る12月には翌年度予算の編成が進んでしまっており、また、一部の議員で構成される決算委員会では、基本的な質問に多くの時間が費やされ、政策的な議論が十分行えない等の課題がありました。

そこで今回、決算審査の方法を見直し、9月議会中に決算委員会の審査を行って結論を出すことにしました。また、決算委員会の委員は議長と監査委員を除く全議員とし、4つの常任委員会(総務、文教福祉、市民経済、都市建設)を分科会として審査する形に変えました。

これにより、予算と決算を同じ分科会で審査するため、より専門的に一貫性を持って行政をチェックできるようになりました。

現在、TX沿線の人口急増に対応するため、みどりの学園義務教育学校で15教室、学園の森義務教育学校で27教室を増築中です。しかし、2~3年後にはそれでも足りなくなるという推計が発表されました。そこで、このような事態になった原因と今後の対応について質問しました。

施設一体型小中一貫校の推進が原因!

TX沿線開発計画ができた2001年には、研究学園駅周辺とみどりの駅周辺にそれぞれ小学校2校と中学校1校の用地が確保されていました。これに対して、2014年の学校等適正配置計画では、施設一体型小中一貫校を1校ずつ建設する計画に変更され、もう1つの小学校は計画から消えてしまいました。しかし今、TX沿線の人口増加により、やはりその小学校を作らなければ間に合わない状況になりました。

市民ネットは「施設一体型小中一貫校では、TX沿線の人口増に対応しきれず教室不足になるのではないか」と懸念し、「増築で対応できる」と主張する学務課に根拠の資料開示を求めましたが、当時は資料が出されず、それ以上の追求ができませんでした。

また、2012年の市長選で市原前市長が公約に「一体型小中一貫校の整備促進(筑波東中学校等)」を掲げ、学校等適正配置計画を大幅に前倒しして新設したことも、TX沿線の学校建設が遅れる一因になったと考えられます。

コンサルタント任せにせず、自ら推計する体制を!

今回入手した資料によると、2014年の適正配置計画では沿線開発のスピードが遅く想定されており、2014年頃から人口増加のスピードが上がって、見込みから外れていきました。毎年調査

していれば、もっと早く気づいたはずです。しかし、児童数の推計を庁内で行わず、コンサルに5年毎に委託していたため、人口急増の影響把握が遅れたことが分かりました。

大事な部分をコンサル任せにすると、実態がつかめず課題の発見が遅れ、施策が後手に回って税金の無駄遣いにもつながります。そこで、推計を庁内で行う体制づくりと、早急に両地区にもう一校ずつ小学校の建設を決断するよう提案しました。